ピルを飲んでいるから安心?全てを失ったときに気づくこととは

Hopelessness.

刹那的な性愛の果てに行きつく先にあるもの

男と女が出会い、その日の内にセックス。心と身体が合えば、付き合いは始まるし、そうでなければ”One night love”で終わる。結婚するまで処女を守ることは昔の話で、今は違いますよね。

ここに一人の女性がいます。名前を仮にHさんとしておきましょう。

大学入学と同時に一人暮らしを始めたHさんは、両親の目から解放されたことで、色々な男性と付き合うようになりました。彼女は、その頃から産婦人科で処方されたピルを常用するようになります。大学を卒業し就職した後も、多くの男性と付き合い、その期間は長くて半年、早ければ一度のセックスで関係が終わる人もいました。

28歳になった頃、Hさんはお見合いパーティーで出会った相手と結婚しました。幸せな結婚生活が続いていたある日、さらに嬉しいことが二人に起こります。それはHさんの妊娠でした。その時、Hさんはすでに31歳で、待ちに待った赤ちゃんでした。けれどそれは二人に訪れた最大の危機だったのです。

感染しても症状が全く出ない無症候性梅毒の増加

Hさんの手元には、妊娠後期で行われた血液検査の結果がありました。そこに書かれていたのが「TPHA」陽性(+)の文字。彼女はトレポネーマに感染していたのです。トレポネーマとは梅毒のことで、性的接触で感染します。そして感染者が治療せずに妊娠すると、胎児が先天梅毒になったり、死産や流産の原因となるものでした。

ここで問題になってくるのが梅毒の症状です。夫の梅毒検査は陰性。Hさんが過去にセックスした男性から感染したことは明があきらかですが、彼女の身体には梅毒による症状が全く現れていなかったのです。

実は近年、無症候性や早期顕症梅毒患者の増加がみられています。無症候性梅毒は症状がなく、セックスによる相手への感染もないので、検査をしない限り陽性であることは分からないのです。結局、Hさんは流産し、二人は危機を乗り越えられず結婚生活は破綻しました。

あなた自身と将来のあなたの子どものために

厚生労働省が2015年3月に発表した性感染症数によると、減少傾向だった梅毒の感染者数が2003年を境に増加しています。実際、2003年の感染者数と2014年では3倍以上に膨れ上がり、特に男女ともに10~20代を中心に感染者数が急増しています。

不特定多数とのセックスは、それだけ梅毒をはじめとするさまざまな感染症のリスクがあります。ピルで避妊はできても感染症を防ぐことはできないのです。けれど100%ではないものの、感染症の多くはコンドームで防ぐことができます。

あなたは将来、子どもを産みたいですか?
もし産みたいと考えているなら、いつか生まれてくる命のことも考えたいですよね。あなたの将来がHさんと重なることがないように、感染症のリスクを防ぐことができるのはあなた自身なのです。

【参照サイト】東京都感染症情報センター(梅毒)厚生労働省/性感染症報告数

「この記事について」
特定の治療方法や医学的な考え方・評価をすすめるものではありません。
あくまでも病気に関する理解や知識を深めるための参考材料としてご利用ください。