感染しても症状が出にくい!気づかないうちに身体をむしばむ淋病の怖さ

おなかを抑える女性

その下腹部の痛みは生理痛?もしかしたら性感染症かも

女性の多くが悩まされる生理痛。痛みの度合いは個々によって異なりますが、実はどのような痛みでも、その原因が生理によるものではなく他の病気が原因で起こる場合があります。

Iさんの身体に異変が起こり始めたのは17歳を過ぎた頃でした。症状は下腹部の鈍い痛み。普段から生理痛があるIさんは市販の薬で痛みを抑えて病院へ行くことはありませんでした。2年後、Iさんの下腹部に激しい痛みが襲います。それは今までの生理痛とは違って吐き気も伴った我慢できない痛みでした。

「淋病に感染」駆け込んだ病院で驚きの診断が…

訪れた病院で検査した結果は驚くべきものでした。Iさんは淋病に感染し、それが原因で骨盤腹膜炎になっていたのです。Iさんには男性経験はありません。全く身に覚えがないにも関わらず、淋病に感染していたのです。何故、性交渉のないIさんが淋病になり、骨盤腹膜炎になるまで気が付かなかったのでしょうか?

淋菌の感染によって起こる淋病は、感染者と性行為やオーラルセックスで3割が感染すると言われています。淋菌そのものは感染者の粘膜から離れると数時間で感染能力は失うため、強い菌とは言えないのですが、公共浴場やタオルなどから感染することも少数ですが報告されています。性交渉がなかったIさんが淋病に感染したのは、このケースでした。

女性の多くが見過ごしている淋病

淋病に感染すると通常は3~10日で症状が現れ、発熱、下腹部の痛みや吐き気、排尿の時に痛みを伴う場合があります。けれど、淋病の場合は女性はほとんど症状が出なかったり、出たとしても症状が軽いために感染症であることに気が付かないことが多いのです。

しかし淋病を放置したままにすると、女性の場合には淋菌が子宮に侵入し卵管炎、子宮周囲炎、子宮内膜炎、骨盤腹膜炎などになり、不妊になるケースもあるのです。

身体からのメッセージをキャッチすることが早期発見のカギ

10~20代に増えている淋病は、感染すると局部に激しい痛みが生じる男性に比べて、女性は自覚症状が無いことが多い感染症の一つです。厚生労働省の性感染症報告によれば、2015年の淋病感染者数8,698人の内、男性の6,905人に対し女性は1,793人と、男女の割合が他の感染者数に比べても極端に差があります。これは、実際には淋病に感染していても、症状に気付かないために治療を行っていない女性が多いことが考えられるのです。

他の性感染症と同様に、女性はおりものの量や匂いで体調の変化が分かります。けれど性能の良いおりものシートが販売されているため、注意しなければおりものの量や匂いなどが通常と違うことは分かりません。

Iさんは、こまめにおりものシートを変えていたので体調の変化に気が付かなかったのです。身体を清潔に保つことができる便利なおりものシートですが、おりものは身体からの大切なメッセージです。付け替える際にはチェックするよう習慣付けると良いでしょう。
(Iさんの体験談はフィクションです)

【参照サイト】厚生労働省/性感染症報告数国立感染症研究所/淋菌感染症

「この記事について」
特定の治療方法や医学的な考え方・評価をすすめるものではありません。
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