今さら聞けない子宮頸がん予防ワクチン事件、その真実とは?

ワクチン

ワクチン接種をした人、しなかった人、それぞれの人生

ここに4人の女性がいます。仮にAさん、Bさん、Cさん、Dさんと名前を付けておきましょう。いずれも男性経験は無い10代です。4人の中でAさんとBさんは中学生のとき、行政が勧めた子宮頸がん予防ワクチンを接種して、CさんとDさんは接種しませんでした。それから10年後、彼女たちにどのような変化が起きているのでしょうか?

結果として、健康な生活を続けているAさんとCさん、子宮頸がんとなったBさんとDさんがいました。ここで不思議に思う人がいるはずです。子宮がんワクチンを接種したはずのBさんが、後年になって子宮頸がんを発症していることです。実はワクチンを打っても完全に病気を予防することにはなりません。また、仮にワクチンを接種して何年かは予防できたとしても、その効果は何年続くかは予測のみで検証されてはいないのです。さらに近年問題になっている子宮頸がんワクチン事件のように、この4人に当てはまらないケースもあります。

事件例と厚生労働省が発表している副反応とは?

高校1年のときに子宮頸がん予防ワクチンを接種したMさんは、現在、辛い日々をおくっている一人です。

彼女はワクチン接種の約15分後に腕の痛みとしびれ、激しい頭痛と息苦しさが襲われました。その後、高熱や平熱を繰り返したりケイレンを起こすなどの症状が出始めたのです。治療のためにさまざまな病院で検査を行いましたが病名を特定することはできませんでした。最終的に学習や記憶などをつかさどる脳の海馬に問題が見つかり、体内にある自己抗体の数値に異常があることも分かりました。

現在、厚生労働省は子宮頸がん予防ワクチン接種後に手足の痛み、頭痛、腹痛、関節痛、失神などの副反応がでる可能性を示唆しています。また、件数は少ないですがアナフィラキシー、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、複合性局所疼痛症候群の報告もあります。この中にある急性散在性脳脊髄炎の症状は、頭痛、嘔吐、意識の低下などが起こる脳などの神経の病気で、まさにMさんの症状と一致しています。

ワクチン接種だけでは防げない、定期的な検診があなたを守る

子宮頸がんには幾つかの型があり、その中の16型と18型が全体の50~70%だと言われています。子宮頸がん予防ワクチンはこの16型と18型の感染やがんになる手前の症状を90%以上予防できることが研究の結果で分かっています。つまりワクチンは100%の予防ではなく、副反応のリスクがあるものの、子宮頸がんを防ぐ有効な手段の一つなのです。

女優の大竹しのぶさん、芸能界の大御所の和田アキ子さん、元女優で歌手、現在は政治家の三原じゅん子さん、女優の古村比呂さん。彼女たちに共通しているのは、子宮頸がんを患い治療生活を行っていたことです。子宮頸がんの治療は想像以上に辛く、中には子宮を摘出した人もいます。そのため、子宮頸がんにかかった人や家族がいる人はワクチン接種を勧めている人が多くいます。

子宮頚がんはセックスで感染します。そのため、どんな人でも子宮頚がんにかかる可能性があり、ワクチン接種に関わらず、定期的に子宮頸がん検診を受けることが最も大切なことだと言えるのです。

 

【参照サイト・資料】厚生労働省:子宮頸がん予防ワクチンQ&A子宮頸がんワクチン事件 斎藤貴男著/集英社、子宮頸がん予防 ワクチンと検診の正しい受け方 高橋真理子著/朝日新聞社

「この記事について」特定の治療方法や医学的な考え方・評価をすすめるものではありません。あくまでも病気に関する理解や知識を深めるための参考材料としてご利用ください。