キスだけでうつる病気…その名も「キス病」

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キス病は、「伝染性単核球症」が正式な名称。唾液に生息するウイルスが原因の感染症です。多くの性病等の感染症が、唾液に限らずその他の体液で感染するのと異なり、キス病は唾液以外からは感染しません。

3歳までの感染率なんと8割…「間接キッス」でも

感染率は非常に高く、日本では赤ちゃんのうちに半数以上が感染し、3歳時では7割〜8割程度が感染しているとも言われています。また、20歳代になると、ほぼ9割程度の人が抗体を持っている(=感染したことがある)という結果になっており、非常に身近でかつ感染しやすい感染症であることがわかります。

キス病は、唾液を介せば簡単に感染してしまうのが特徴で、ディープキスはもちろん、同じスプーンを利用したり、同じカップで飲み物を飲むほか、何と同じハンカチで口をぬぐっただけでも感染の可能性があるというもの。そういった機会を排除すれば感染の可能性を低くすることはできますが、完全に防ぐことはほぼ不可能に近いと考えられますね。

思春期以降の感染は症状に注意

これほどにまで多くの人が感染しているにも関わらず、名前がマイナーなのはナゼか? 考えられるのは、子供のころに感染すると症状が出ないことが多い、ということです。

3歳までの幼児期に感染した場合、多くの子供が症状が出ない、あるいは非常に軽微に治まります。ですから、感染していることにすら気づかないケースがほとんどなのです。しかし、感染しないまま思春期を迎え、思春期以降に感染すると、幼児時代に感染した人と異なり、目立つ症状が出る場合があります。

症状は、風邪のような症状が中心。38度を超える高熱や倦怠感、リンパ節の腫れ等です。キス病に特有の症状というのがないので、風邪やインフルエンザ等他の病気と間違われやすいですが、キス病の場合は比較的長く発熱や症状が続くことが多いのがポイント。短かくても1週間前後、長ければなんと1ヶ月程度も続くことがあります。基本的にはある程度時間が経過すれば自然に治癒していきますが、1ヶ月以上治まらない場合は、慢性化している可能性も。完全に治癒するまでは、こまめに医師の診察を受けましょう。

治す方法は…ない!? キス病にかかったら

その他の多くの感染症が効果的な抗生物質等で対策が可能なのと比較して、キス病の恐ろしいところは、なんといっても特別に効果を発揮する薬が存在していないことです。しかし、だからといって医師の診察が無意味かというと、そういうわけではありません。

キス病は、キス病以外の合併症を併発している可能性があります。そういった場合は、その合併症にに対する対処が必要です。キス病かも?と思ったら、即座に病院へ行きましょう。しかし、キス病単体で考えると、安静にする意外の効果的な治療方法がないのが実情です。

また、キス病はヘルペスと同様、一度感染したら一生そのウイルスが体内で生息することになってしまいます。まれに免疫力が低下している時に、再発してしまう可能性がありますので、完治した後は地道に免疫を強化するよう、規則正しい生活と適切な睡眠や運動を心がける必要があります。

ほとんどの人が感染しているキス病。だからこそ、そこまで神経質にならなくていい代わりに、似たような症状が現れた時は、恥ずかしがらずに即座に医師の診断を受けることをお薦めします。

「この記事について」
特定の治療方法や医学的な考え方・評価をすすめるものではありません。
あくまでも病気に関する理解や知識を深めるための参考材料としてご利用ください。